うるし

漆は英語で japanese lacquer と呼ばれ、漆器は japan ware、または japan と呼ばれています。伝統工芸としてまさに日本を代表するのが漆なのです。また漆とは、「美しい」「麗しい」と言った表現語から転化したとも言われています。飛鳥、奈良の時代より受け継がれてきた伝統芸術作品をよく観察してみますと、多くのものに漆が使われています。漆とは、古くから日本人が求めてきた「美」そのものであると言えます。漆は英語ではJAPANと訳されており、日本の美の代名詞ととらえられているのかもしれません。 また、漆は、耐水性、耐熱性、耐酸性・耐アルカリ性の性質を持ち、塗料としてこれ以上のものはありません。

漆の採取

漆はうるしの木から採取します。うるしの木に傷を付けると、そこからにじみ出る樹液、これを精製すると漆になります。うるしの木は、日本,中国,インドシナ半島など東南アジア地域に広く分布しています。

うるしの木

漆の利用

漆は、塗った後に乾燥することで丈夫で美しいつやを持った塗膜を作ります。日本においては飛鳥時代より以前から土器、木器に使われていました。奈良時代・平安時代以降、加飾技法・塗布技法が大きく進化し、この時代の優れた工芸品が国宝や重要文化財として現存しています。

漆塗り

西陣織りにおける漆

西陣においては「引箔」という技術で、漆の美しい光沢を持った生地を作ります。 渋柿でにじみ止めをした和紙に本漆を幾重にも塗り重ねていき、更にその上から色漆で彩色を施し、深みのある色を作り出していきます。そしてその上から、漆を接着媒体として本金の切箔、切金などを貼り付けます。最後は温度が一定に保たれた部屋で乾燥させ、漆を熟成させることで美しい光沢を作り出します。
中島紫都工房の漆織は、この技術をもとに新しい発想を加えて、シンプルで現代的な工房独自の織物にしたものです。